hinodaiの日記

主に音楽ゲームの話題を取り扱います。

(2019年7月更新)思考型リズムゲーム「Re:ステージ!プリズムステップ」は生き残れるか?

※システムの更新が徐々に行われ、更に2018年7月と2019年春ごろに大幅に仕様が変更したため、記事の内容を加筆修正しました。
2018年版のまとめ(譜面傾向を主に紹介)もあります。
hinodai.hatenadiary.jp

元々は「音ゲーマー達の発信所」2017/12/4分(遅れました)担当として記事を作成しました。
#音ゲーマー達の発信所 Advent Calendar 2017 - Adventar

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リステップのタイトル画面(2017/12/4に更新)

Re:ステージ!について

皆さんは、和泉つばすというイラストレーターをご存知だろうか?美少女ゲームの1ブランドを支えるレベルの有名な絵師ですが、ゲーム雑誌「コンプティークから始まったアイドルプロジェクト「Re:ステージ!」原画キャラデザインを担当している。
2017年8月にはリズムゲームにも進出。「Re:ステージ!プリズムステップ(略称:リステップ)」のサービスが開始した。
→2019年6月時点でもサービスは継続しており、2019年7~9月にはアニメも放映される。アニメ版は原作ノベルと比較すると、キャラがよりアクティブになっており、冷たい人だなと思われそうな表現も和らいでいる。原作ファンの人も驚くような場面があるので、是非見て欲しい。(※先行上映会にて1,2話を視聴済み)

アルバム「キラリズム」にはKiRaRe楽曲9曲が収録されているため、まずは試聴してほしい。ジャケ絵も素晴らしい。

【Re:ステージ!】KiRaRe 1stアルバム「キラリズム」試聴動画
この手の絵が好きな人は、ジャケ絵を見るだけでワクワクしてきませんか?

リステップについて

それでは、リステップの特徴を紹介、考察していこう。システムの変更点も記載していく。

イラストの質,メディアの後押し

 美少女ゲームの一ブランドを支えるレベルの絵師がほぼ全イラストデザインを担当(ノベル連載後半あたりから、扉絵以外やジャケ絵一部を他の絵師が担当。立ち絵以外のアプリ内イラストは他絵師が殆ど)している点において、二次元が絵好きな人は注目すべきだろう。
見た目や設定から既存作品を想像してしまう人や、ギャルゲ寄りの絵が苦手という人もいるしれない。
この作品は、一度はアイドルへの道をあきらめた中学生がアイドル大会でTOPを目指す、というストーリー。リステップ内では、主人公が顧問(先生)としてKiRaRe等のユニットをサポートするという設定だ。

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尊い・・・(ハロウィンイベントのストーリーより)
楽曲はポニーキャニオンからリリースされており、質も良い。2017年11月後半には「P's LIVE!05」というポニーキャニオンのアニメ系アーティストが集まるライブにも出演した。ゲーム雑誌「コンプティーク」では過去にノベルが連載されており、リステップがサービス開始してからは追加ガチャの紹介がカラーで掲載されている。

ボタンを入れ替え?「パズルノーツ」

リズムゲーパートにおいては、全てのノーツをタップするわけではなく、TAP表示のないノーツは「パズルノーツ」といい、判定ラインでボタンと色が合っていれば自動で拾ってくれる仕様だ。その代わり、色を合わせるためにボタンを入れ替える必要がある。いわゆる脳ゲーである。
どういう流れなのかはプレイ動画を見てもらえば何となく理解できるだろう。

[リステップ] Startin' My Re:STAGE!!(NORMAL譜面)
意図的に早押し遅押しした箇所がいくつかある。見逃しMISS判定が結構後ろにあることが分かるだろう。(約60フレーム。物量譜面では後ろ判定が広いせいでBADハマリしやすくなっている)
HARD譜面の総ノーツ数に対するタップ数を調べたことがあるが、6割前後の譜面が多かった。2017年12月時点で、中にはノーツ数433だけどタップは158(36.49%)、ノーツ数368でタップ数299(81.25%)という極端なものもある。

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全お・・・全レーン配置もある。(GROWING!! HARD譜面より)
パズルノーツの存在のおかげで、譜面の表現が増えている一方、ボタンを入れ替えるという特性上、ロングノーツやフリック(スライド)の表現は出来ない。スライドすべき個所を判断するためスピードは普段より遅めにする必要がある。他のリズムゲーと比べると取っつきにくく、リズムゲー初心者にとっては地獄かもしれない。

だが並び替えるタイミングや法則(大体左右対称の動きや配置になる)が分かっていれば、「あ、今降ってるの叩かなくていいんだ」という他ゲーには無い感覚を楽しめ、物量寄りになりがちなリズムゲーに対するアンチテーゼになっている…と思っていたのだが、楽曲や譜面が追加されるにつれそうとも言えなくなってきた。「なぞる」「避ける」系の譜面が出てきたのだ。
だいたい500日経過!思考型リズムゲーム「Re:ステージ!プリズムステップ」は生き残れるのか - hinodaiの日記

スコアアップにはアクセサリ、フレンドが大事

6人でユニットを構成し、残り1人はフレンドのキャラが参加するという仕様になっている。某パズルゲーと同じだが、アイドル系のリズムゲーでは珍しいかもしれない。
そのため、フレンドのステータスが大きく影響する。ランキングありイベント時にはフレンドの特攻値が100%まで反映されることも踏まえ、曲選択時のフレンド選択は重要である。
また、自分のキャラ(各5枠)に装備させるアクセサリを集めることも大切だ。アクセ装備の作業はドラッグアンドドロップ形式になり少しは楽になったが、手間がかかるため慣れるまで大変だ。

初期曲はスコアボーダーに違和感(修正済み)

サービス開始初期に「HARDよりもEASYの方がSランクを取りにくい」という事態に直面した。曲選択時の目標IPP(総合値のこと)設定を運営が詰めていなかったのが原因と思われる。サービス開始時以降に追加された曲からは、適切なスコア目標になって行った。
→2019年春のアップデートにて、ほぼ全譜面のノルマが修正され、適正な値になった。スコア報酬もリセットされ再度貰えるようになった。

上位譜面になるほど、ダメージが増加

ミスした際のダメージは段階を経て緩和されてきたが、初見では上位譜面をクリアすることはゲームの特性上覚えゲーの要素が強く難しい。下の表を参考にしてほしい。「しなないモード」も追加されたため(後述)、サービス初期に挫折した方はぜひ再開してほしい。
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ここで左端の1箇所入れ替えをミスれば、2つ以上のミスが出ることに。
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☆3キャラのスキル説明の一部(限界突破を2回しているため、+表示が付いています)
そのため、曲中の回復オブジェやキャラの回復スキルに頼ることになるのだが、回復スキルは指定された色のノーツでなければ回復しない仕様になっており、回復量もHARD譜面のダメージに対し少ないため辛い。
おそらく、運営はHARD譜面を最上級の譜面として扱い、今後上位譜面は追加しないのかもしれない。2018年1月からはさらに上位のEXPERT譜面が追加され、
2018年7月アップデートにてAP(スタミナ)制と広告コンティニューが廃止された
ため、途中で死ぬような曲はノーリスクでリトライできる。なお、曲中コンティニューに必要な石(ジュエル)は10個。これはガチャ10連が石2500個、9800円で石8750個であることを考えると、約11.2円。他のリズムゲーに比べかなり安くなっている。
(以前は広告を見て一回無料コンティニュー出来た。)
だが曲中コンティニューでは入れ替えミスでFail→再開→立て直せずまたFailとなることが多い。ボタンを入れ替える仕様が障壁になっている。

追記:「しなないモード」追加

2019年3月末のアップデートにて、ライフがゼロになっても楽曲を最後までプレイできる「しなないモード」が導入された。クリア扱いにはならないため

  • ○○をクリア系の課題に反映されない
  • 報酬がしょぼくなる
  • スコアが少し低くなる

という点ではマイナスだが、慣れない譜面ではこれを使うと良いだろう。

高難度の譜面が続々追加:「宣誓センセーション」など

2017年11月中旬のランキングイベントに合わせ、新曲「宣誓センセーション」がゲーム内で先行公開された(シングルCDは12月中旬発売)。
HARD譜面の総ノーツ数は510。既存曲の最多ノーツは433(Stage of Star[HARD])と比較すると、タップメインで曲長が短めであり、かなりの物量譜面と言える。なお運営はこれに合わせてHARD譜面のフルコンボチャレンジを開催した。


www.youtube.com
クリア安定に30回ほど、フルコンに50回程度かかった。

譜面を詳しく見ると、スライドだけが難所ではなく、スマホ持ちには辛い非対称の同時押し連発、左指に大きな動きが要求されるなど、かなり難しい譜面になっている。
2018年1月からはEXPERT譜面が追加され、Stage of StarのEXPERT譜面は647ノーツと上級者向けの要素が増え始めた。フルコンボチャレンジも譜面追加に伴い開催された。

コンテンツ(ボイス、シナリオ)配分に難あり

さて、ここからはゲーム内のコンテンツ量について考察する。
各キャラクターのストーリー以外のボイスは、
レアに関わらずほぼボイスが固定されている。☆3や☆4のような上位レアに専用のボイスは無く、時刻やイベント等が条件のボイスもない。
ホーム画面:10個、強化,曲クリア,プレイヤーLVUP時:各1個、スキル:5個*1
収録されている。また、ADV形式の個別ストーリーはガチャで引ける最上の☆4レアにのみ収録され、*2セリフはフルボイスで2章に分かれており合計で約70~80回セリフ送りがある。
スク○ェスが大体10回以内のセリフ送りなので、良くも悪くも「極振り」していると言える。
2017年10月以降から毎月開催されているランクありイベントでは、獲得ポイントによってイベントストーリーを見ることが出来た。これも2章に分かれている形式で個別ストーリと同等の量があった。

なお今後のアップデートで、原作のノベルパートがフルボイスで追加される予定だ。されている。

リズム系ソシャゲにおけるモチベ維持のサイクル、このゲームでは・・・

普通のリズムゲーであれば、
まずは無料でプレイし楽曲をプレイするもSランクフルコンはまず無理(Eランクとか)だったり、難譜面では死ぬことがあるため、ガチャでキャラを入手しスキルでカバー、またはキャラを強化してプレイを続けていく。
(微課金で続け、イベントキャラを加える方法もある)

入手した各キャラのストーリーを見ながら、世界観への理解を深めつつ、イベントへ突入。
何度もプレイするので、プレイヤーLVがアップし通常ストーリーも進めやすくなるし、イベントでキャラを獲得しスコア強化に繋げることが出来る。
そうしているうちに、楽曲や作品への興味が深まり、楽曲やグッズの購入、イベントへの参加へと繋がっていく。

そしてまたイベントが・・・と続いていくわけだ。

ではリステップはどうかと言うと、

  • 初期楽曲でスコアボーダー設定が正しくなかった
  • 回復系、判定系のスキルがあまり役に立たない
  • キャラ専用シナリオは最上レア☆4のみ、シナリオ以外のボイス量少な目
  • イベントはサービス開始1か月半後にようやく開催
    • イベント専用シナリオはサービス開始1か月後のイベでようやく実装

といった問題があり、リズムゲーパートの取っつきにくさも重なり、出だしでつまずいたという印象を受ける。

リステップ運営の現状

課金勢への優遇でカバー

8月1日にアプリは公開されたが、iOS版の公開が5日遅れた(2017/8/6)ことや、iOSで半拍程度の音ズレがあり、完全解決まで2週間半*3を要したことなどが影響したのか、DL数○万越えなどの報告は無くユーザー数はあまり増えなかった模様。
8月下旬~末にかけて、1回ずつ引ける確定ガチャが日替わりで9日間実装された。(KiRaRe各メンバー6+他2ユニット+水着ガチャ の合計9回)有償石の仕様のため1回5000円で確定ガチャが引けるのだが*4、おそらくこれは売り上げの確保だろう。
この確定ガチャに対し運営は「今回は特別なんだからね!」という旨の説明をしていた。

☆4確定ガチャの次回開催予定はありますか?
9月7日時点では次回開催予定はございません。今後特別なイベントや記念のタイミングであらためて検討させていただきます。
※8月の☆4確定ガチャはリリース初月を記念して開催されたものです

(アプリ内のお知らせ「なぜなにプリズムステップ」 より引用)

しかし、9,10,11月とランキングありイベントを行う前には、イベント特攻付き☆4確定ガチャを2回ずつ追加、アクセサリでも確定ガチャを追加していた。
2018年春ごろから、期間限定のガチャ産☆4キャラには当月イベントの特攻が付くようになった代わりに、イベント時の確定ガチャは行われなくなった。その代わりに各キャラの誕生日には確定ガチャが実施されるようになった。
さらに最近(2019年春ごろ)になってから、期間限定ガチャにおまけのシールが付くようになり、イベント用のブーストアイテム等と交換できるようになった。

ゲーム専用のツイ垢は無く、告知は宣伝がメイン

リステップ公開後に、ゲーム専用のツイッター垢が作られることは無く、リステージプロジェクトのアカウントでゲーム情報の配信を行っている。
些細な不具合はゲーム内の告知のみで済ますことが多く、また参加声優の呟きを頻繁にRTするなど、ゲームの宣伝や紹介的な位置づけになっている。

ゆるゆり」や「らき☆すた」とコラボ済み

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ポニーキャニオンのライブイベントにて「ゆるゆり」とのコラボ(ポニーキャニオンつながり)が告知され、2018年1月中にコラボ実施、らきすたとのコラボは2018年6月中旬から1か月間実施された。(こちらはコンプティークつながり)
2019年7月時点では、アニメ放映によりユーザーが増えるだろう。今後どんなコラボを実施するかは現時点では不明。

まとめ、そしてリステップの今後

  • コンテンツとして質は悪くは無いが配分に問題
  • リズムパートは尖った仕様、システムは未熟な面も
  • コラボやアニメ放映で体制を整えられるか

2017年11月時点ではイベント参加アカウントが2000人を切っており、危機的な状況だった。
→コラボやライブを挟みながら、ユーザーは2000人台を推移している。
ナナシスTokyo 7th シスターズ)やエビスト(8 beat Story♪)辺りをライバルとして今後もリステップを運営していくには、ポニキャ絡みのコラボで獲得した新規ユーザーを定着させるような仕組みが必要だろう。Re:ステージ!プロジェクト自体の楽曲は各ユニットで新シングルやアルバムが出ており、月1曲ペースで楽曲を追加できるレベルになっている。

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まだまだ続いてほしいですね。

興味があれば、自分の過去の記事も見ていただけると幸いです。

おまけ:カラオケにSR画像投入?


リステージ関連の楽曲はほとんどがCD発売や配信などで入手が可能だ。ポニーキャニオンが運営に関わっているためその辺りは万全だ。
それだけではない。楽曲がカラオケ化した際、映像にリステージ関連の画像やゲーム中☆4レア画像を配置(※曲によっては☆2,3も入っている)。実質アーカイブ化しているのである。何と言う策士。ファンの人にとっては嬉しいだろう。

*1:スコア、判定、ライフ回復系の3つに分類され、2,2,1個の設定

*2:CD特典の☆4には無し

*3:8/19辺りで致命的な音ズレはほぼ解消

*4:購入額÷2が有償石個数 購入額の多さに対し無償石追加